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成田農園のよもやま話~第17回~

皆さんこんにちは!

 

千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の

成田農園合同会社、更新担当の富山です。

 

 

 

水やり ― 芋の形と甘さを決める、最重要ポイント

 

 

 


🌱 植え付け直後の「最初の一回」が命

 

さつまいもの栽培において、水やりは単なる作業ではありません。
実は「どのタイミングで、どれだけ与えるか」で芋の形や甘さが大きく変わる、非常に繊細な工程です。

まず最初に大切なのが、植え付け直後のたっぷり水やり
この段階では、苗の根がまだ新しい土に馴染んでおらず、乾燥するとすぐに枯れてしまいます。
苗の根元に向けて、地面が光るくらいたっぷりと水を与え、土と根をしっかり密着させます。

💧ポイント

  • 植え付け直後は「土の奥までしみ込む」ほど与える。

  • 翌日は土の表面を触って、しっとりしていれば水やり不要。

  • 風が強い日や気温の高い日は、夕方に軽く潅水して乾燥を防ぐ。

この最初の1回が、その後の苗の活着を決定づけます。
ここで失敗すると根張りが悪く、芋の太りも悪くなるため、慎重に行うことが大切です。


🌿 活着後は「控えめ」が鉄則

 

およそ1週間が経過すると、葉がピンと上を向き始めます。
これは「根が張ったサイン」。ここからは水の与え方を切り替え、乾かし気味の管理に移ります。

さつまいもは乾燥に強い反面、湿気には非常に弱い植物です。
水を与えすぎると、土中の酸素が減って根が呼吸できず、芋が細長くなったり、味が薄くなったりします。
この状態を「水太り」と呼び、糖分の蓄積が妨げられてしまうのです。

🌤️理想的な管理

  • 表面が乾いてから2〜3日後に軽く湿らせる程度でOK。

  • 雨が続く時期は水を与えず、排水を優先。

  • 乾燥よりも過湿のほうがダメージが大きいと覚えておく。


🌦️ 季節による水管理のコツ

 

季節や天候によっても、水の管理は変化します。

  • 梅雨期:畝を高くして排水を確保。水は極力控えめ。

  • 真夏:高温による乾燥を防ぐため、藁やマルチを敷いて保湿。

  • 秋(収穫前):収穫2週間前から水を止めて糖度を上げる。

農家の中には「葉の色で判断する」人も多く、濃い緑は水分過多、少し明るめの黄緑はちょうど良い水分量のサインです。

💡コツ

朝に与えて、日中の太陽で乾かすのが理想。
夜間の水やりは蒸れて病害の原因に。


🍠 収穫前の「水切り」が甘さを生む

 

収穫の1〜2週間前からは、水を完全に止める「水切り」を行います。
これは、芋の中の糖分を濃縮させ、焼き芋にしたときの“ねっとりとした甘さ”を引き出すための大切な工程。
水を我慢させることで、植物が自ら糖を蓄えようとする性質を利用しています。


🌻 まとめ ― 水やりの鉄則

 

ポイント 内容
植え付け直後 根付きのためにたっぷり水を与える
活着後 乾燥気味に管理、与えすぎない
季節管理 梅雨は排水重視、真夏は保湿、秋は水切り
収穫前 水を控えて糖度アップ

 

💬ひとことで言えば…

水やりは「最初に与え、あとは我慢」。
甘いさつまいもは、“控えめ”な管理から生まれます。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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