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成田農園のよもやま話~第18回~

皆さんこんにちは!

 

千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の

成田農園合同会社、更新担当の富山です。

 

 

 

追肥 ― 「少なくていい」が最高の芋を作る秘密

 

 

 


🌾 肥料は“控えめ”が鉄則

 

さつまいもは肥料を多く必要としない作物です。
むしろ、肥料をやりすぎるとツルばかり伸びて芋が太らなくなる「ツルぼけ」を起こします。

ツルぼけとは、窒素肥料が多すぎることで葉や茎に栄養が偏り、肝心の芋が育たなくなる現象。
見た目は青々として健康そうでも、土の中はスカスカ……。これが一番多い失敗例です。

🌱基本の考え方

  • さつまいもは「痩せた土地」でこそおいしく育つ。

  • 肥料のやりすぎは「葉の立派さ」と「味の低下」を引き換えにする。


⏰ 追肥のタイミング

 

  • 1回目(定番):植え付けから約1か月後。ツルが畝を覆い始めた頃。

  • 2回目(必要な場合のみ):芋の太り始める7月下旬〜8月ごろ。

基本的には1回の軽い追肥で十分
もしツルの伸びが鈍い・葉色が薄いと感じる場合のみ、2回目を少量行います。

💧コツ

  • 土の表面に肥料をまき、軽く混ぜる程度。

  • 一度に多く与えず、様子を見ながら分けて施す。


🌿 肥料の選び方

 

肥料は「何を与えるか」で結果がまるで違います。
おすすめは、カリウム(カリ)中心の肥料。
カリは芋の肥大を促進し、甘さを高める効果があります。

逆に窒素分が多い肥料は、ツルが暴れて芋が太らない原因になるため注意。

🍂肥料選びのポイント

  • カリ多め(例:草木灰、硫酸カリ)

  • 有機肥料(堆肥、油かす、骨粉)でじっくり効かせる

  • 化成肥料の使いすぎはNG


🌾 有機肥料の効果

 

有機肥料は、栄養がゆっくり効くため、急激な成長を抑えつつ土を豊かにします。
また、土中の微生物を活性化させることで、芋の香りと食感を良くします。

この「ゆっくり育てる」環境が、最終的に“ほくほくで甘い芋”を育てるのです。


🏠 栽培環境別の追肥量

 

栽培方法 肥料の量 ポイント
ハウス栽培 少なめでOK 温度が安定しているため養分が逃げにくい
露地栽培 少量を2回に分けて 雨で流れやすいため分割施肥が効果的

 

💡アドバイス

肥料を「足す勇気」より、「抑える勇気」を持つ。
芋は“足りないくらい”がちょうど良い。


🍠 追肥のまとめ

 

ポイント 内容
追肥回数 基本1回、状況に応じて2回まで
肥料の種類 カリ中心、有機肥料が理想
注意点 窒素過多=ツルぼけの原因
効果 甘み・香り・繊維の質が向上

🌿 まとめ ― 肥料を減らす勇気が「甘さ」を生む

 

肥料は多ければ良いわけではありません。
むしろ“控える勇気”が、糖度を上げ、風味豊かな芋を育てる最大のコツです。

肥料を少なくすることで、植物は「自ら栄養を蓄えよう」として、
自然と甘くて濃厚な芋を実らせてくれます。

🍠✨

与えるより、見守る。
それが、本当においしいさつまいもを育てる最短ルートです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家です。

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