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皆さんこんにちは!
成田農園合同会社、更新担当の富山です。
~「育ちすぎ」が甘さの敵になる!?~
今回は、さつまいもが元気に育ち始める「夏の管理」についてご紹介します。
さつまいもは暖かくなると、地面の上に青々としたツルや葉っぱがぐんぐん広がっていきます。
一見「順調そう」に見えるこの光景、実は落とし穴が…。
そう、「つるボケ」です。
つるボケとは、芋が育たずツルばかりが生い茂ってしまう状態のこと。
主な原因は以下の通り:
肥料の与えすぎ(特に窒素分)
ツルを放任して土に根付かせすぎた
日照不足、水分過多、雑草による競争
つるボケになると、芋の数が減る・形が細い・甘みが足りないといった残念な結果に。
だからこそ、夏の管理こそが秋の出来に直結するんです!
ツルは地面を這うことで、節から次々と“副根”を出します。
それ自体は生命力の表れですが、土中の栄養が分散してしまい、本来太るべき芋が育たない結果になりかねません。
そこで重要なのが「ツル返し」「ツル上げ」と呼ばれる作業。
ツルが伸びすぎた箇所を、根元から持ち上げるようにして空気を通す
地面に根付かないよう、折り返して反対側に返す(交差もOK)
作業は日差しが強くない早朝または夕方に行い、苗にストレスをかけすぎないように
この一手間があるかないかで、秋の収穫量が2倍以上違ったという例もあります。
夏は雑草の季節でもあります。さつまいもと雑草が栄養と水分を奪い合う状況では、さつまいもは負けてしまいます。
雑草はこまめに手で抜く(ツルを傷つけないよう注意)
雨の後の雑草は根ごと抜きやすく、作業のタイミングに最適
雑草がツルと絡むと、作業効率も悪化し病害虫の温床にも
雑草ゼロを目指すのではなく、「さつまいもが優勢になる環境」を意識して管理していくのがポイントです。
長雨や台風で水がたまると、根が酸欠を起こしやすくなります。
さつまいもは「乾き気味の環境」を好むため、水はけは最優先で整えましょう。
畝の周囲に浅くてもよいので排水溝を掘る
土の表面に水がたまる場合は、再度盛り土をして高さを確保
通気性の悪い土は、晴れた日に軽くほぐすことで根の呼吸を助ける
夏の管理は、さつまいもの「見えない努力」を支える大切な作業です。
放っておけば自然に育つ作物と思われがちですが、ツルをどう育てるかで、収穫のすべてが変わります。
次回は、いよいよ【収穫のタイミングと、おいしくする秘訣】をご紹介します!
収穫の“ベストな日”を見極める方法や、掘ったあとに甘みを増す「追熟」の話まで、たっぷりお伝えします。
次回もお楽しみに!
皆さんこんにちは!
成田農園合同会社、更新担当の富山です。
~収穫の味は「最初の一手」で決まる~
このブログでは、“甘くて形のいいさつまいも”を育てるための、苗植えと土作りのポイントをご紹介します。
「土に苗を差すだけ」と思っていると、秋の収穫で「あれ?小さくて細い…」なんてことになりがち。実は、植え方ひとつで芋の太り方・甘さ・形に大きな差が出るんです!
さつまいもは、種芋ではなく「苗(つる)」から育てる作物です。
この苗の植え方・角度・深さ・時期によって、地中で育つ芋の状態が大きく左右されます。
つまり、収穫時の出来栄えは、植え付け時点ですでに8割決まっているとも言われているほど。
だからこそ、最初のこのステップを丁寧に、正しく行うことが、美味しいさつまいもづくりへの第一歩なのです。
「真っすぐ植えると安定しそうで安心…」そう思っていませんか?
実はそれ、逆効果なんです!
さつまいもの苗は地面に対して30~45度の角度で斜めに植えるのが正解。
この理由は以下のとおりです:
苗が地中で長く土と接触することで、多くの“節”から芋が発生する
根が伸びる方向が分散され、芋が太りやすく、形が整いやすい
地面への定着が早まり、風や雨にも強くなる
また、植え付けの際にツルの先端が少し地表に出るようにするのがポイント。完全に埋めてしまうと、葉の光合成が始まらず、活着に時間がかかってしまいます。
さつまいもは、実は“痩せた土地”でもよく育つ作物。
ところが日本の多くの土壌は水はけが悪く、栄養が多すぎる傾向があるため、少し工夫が必要です。
土はなるべく**砂混じりの壌土(ろうど)**が理想。重たい粘土質は避ける。
畝(うね)は30~40cmほどの高さで、幅は60~70cmが目安。
土が硬い場合は、完熟堆肥や腐葉土を混ぜて柔らかくし、通気性をよくする。
雨が多い時期の前に植える場合は、畝の両側に排水溝を設けることで、根腐れ防止になります。
野菜全般にいえることですが、さつまいもは特に「肥料のやりすぎ」がNG。
肥料を多く与えると、ツルばかり元気に伸びてしまい、芋がほとんど太らない「つるボケ」になるリスクが高まります。
元肥は植え付けの2週間前に入れ、緩やかに効く有機質肥料が理想。
窒素成分(葉や茎を育てる成分)は少なめに。リン酸・カリが中心。
追肥は1度だけ。生育が悪い場合に、ツルの生え際にごく少量。
このように、**「足りないくらいがちょうどいい」**というのが、さつまいも栽培の基本姿勢です。
プロ農家は、以下のような工夫もしています:
黒マルチを使用して地温を高め、雑草を抑制
苗を朝夕の涼しい時間帯に植えて、ストレスなく根付かせる
苗の向きを南向きにそろえて、日照を均一化する
このような細かな気配りが、最終的に糖度の高さ・形の良さ・収穫量にしっかり反映されるのです。
次回は、【夏の管理とつるボケ対策】についてお届けします!
ぐんぐん伸びるツルの管理こそが、秋の味を決める大事なポイントです。
次回もお楽しみに!