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皆さんこんにちは!
成田農園合同会社、更新担当の富山です。
目次
~収穫の味は「最初の一手」で決まる~
このブログでは、“甘くて形のいいさつまいも”を育てるための、苗植えと土作りのポイントをご紹介します。
「土に苗を差すだけ」と思っていると、秋の収穫で「あれ?小さくて細い…」なんてことになりがち。実は、植え方ひとつで芋の太り方・甘さ・形に大きな差が出るんです!
さつまいもは、種芋ではなく「苗(つる)」から育てる作物です。
この苗の植え方・角度・深さ・時期によって、地中で育つ芋の状態が大きく左右されます。
つまり、収穫時の出来栄えは、植え付け時点ですでに8割決まっているとも言われているほど。
だからこそ、最初のこのステップを丁寧に、正しく行うことが、美味しいさつまいもづくりへの第一歩なのです。
「真っすぐ植えると安定しそうで安心…」そう思っていませんか?
実はそれ、逆効果なんです!
さつまいもの苗は地面に対して30~45度の角度で斜めに植えるのが正解。
この理由は以下のとおりです:
苗が地中で長く土と接触することで、多くの“節”から芋が発生する
根が伸びる方向が分散され、芋が太りやすく、形が整いやすい
地面への定着が早まり、風や雨にも強くなる
また、植え付けの際にツルの先端が少し地表に出るようにするのがポイント。完全に埋めてしまうと、葉の光合成が始まらず、活着に時間がかかってしまいます。
さつまいもは、実は“痩せた土地”でもよく育つ作物。
ところが日本の多くの土壌は水はけが悪く、栄養が多すぎる傾向があるため、少し工夫が必要です。
土はなるべく**砂混じりの壌土(ろうど)**が理想。重たい粘土質は避ける。
畝(うね)は30~40cmほどの高さで、幅は60~70cmが目安。
土が硬い場合は、完熟堆肥や腐葉土を混ぜて柔らかくし、通気性をよくする。
雨が多い時期の前に植える場合は、畝の両側に排水溝を設けることで、根腐れ防止になります。
野菜全般にいえることですが、さつまいもは特に「肥料のやりすぎ」がNG。
肥料を多く与えると、ツルばかり元気に伸びてしまい、芋がほとんど太らない「つるボケ」になるリスクが高まります。
元肥は植え付けの2週間前に入れ、緩やかに効く有機質肥料が理想。
窒素成分(葉や茎を育てる成分)は少なめに。リン酸・カリが中心。
追肥は1度だけ。生育が悪い場合に、ツルの生え際にごく少量。
このように、**「足りないくらいがちょうどいい」**というのが、さつまいも栽培の基本姿勢です。
プロ農家は、以下のような工夫もしています:
黒マルチを使用して地温を高め、雑草を抑制
苗を朝夕の涼しい時間帯に植えて、ストレスなく根付かせる
苗の向きを南向きにそろえて、日照を均一化する
このような細かな気配りが、最終的に糖度の高さ・形の良さ・収穫量にしっかり反映されるのです。
次回は、【夏の管理とつるボケ対策】についてお届けします!
ぐんぐん伸びるツルの管理こそが、秋の味を決める大事なポイントです。
次回もお楽しみに!