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月別アーカイブ: 2025年10月

成田農園のよもやま話~第18回~

皆さんこんにちは!

 

千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の

成田農園合同会社、更新担当の富山です。

 

 

 

追肥 ― 「少なくていい」が最高の芋を作る秘密

 

 

 


🌾 肥料は“控えめ”が鉄則

 

さつまいもは肥料を多く必要としない作物です。
むしろ、肥料をやりすぎるとツルばかり伸びて芋が太らなくなる「ツルぼけ」を起こします。

ツルぼけとは、窒素肥料が多すぎることで葉や茎に栄養が偏り、肝心の芋が育たなくなる現象。
見た目は青々として健康そうでも、土の中はスカスカ……。これが一番多い失敗例です。

🌱基本の考え方

  • さつまいもは「痩せた土地」でこそおいしく育つ。

  • 肥料のやりすぎは「葉の立派さ」と「味の低下」を引き換えにする。


⏰ 追肥のタイミング

 

  • 1回目(定番):植え付けから約1か月後。ツルが畝を覆い始めた頃。

  • 2回目(必要な場合のみ):芋の太り始める7月下旬〜8月ごろ。

基本的には1回の軽い追肥で十分
もしツルの伸びが鈍い・葉色が薄いと感じる場合のみ、2回目を少量行います。

💧コツ

  • 土の表面に肥料をまき、軽く混ぜる程度。

  • 一度に多く与えず、様子を見ながら分けて施す。


🌿 肥料の選び方

 

肥料は「何を与えるか」で結果がまるで違います。
おすすめは、カリウム(カリ)中心の肥料。
カリは芋の肥大を促進し、甘さを高める効果があります。

逆に窒素分が多い肥料は、ツルが暴れて芋が太らない原因になるため注意。

🍂肥料選びのポイント

  • カリ多め(例:草木灰、硫酸カリ)

  • 有機肥料(堆肥、油かす、骨粉)でじっくり効かせる

  • 化成肥料の使いすぎはNG


🌾 有機肥料の効果

 

有機肥料は、栄養がゆっくり効くため、急激な成長を抑えつつ土を豊かにします。
また、土中の微生物を活性化させることで、芋の香りと食感を良くします。

この「ゆっくり育てる」環境が、最終的に“ほくほくで甘い芋”を育てるのです。


🏠 栽培環境別の追肥量

 

栽培方法 肥料の量 ポイント
ハウス栽培 少なめでOK 温度が安定しているため養分が逃げにくい
露地栽培 少量を2回に分けて 雨で流れやすいため分割施肥が効果的

 

💡アドバイス

肥料を「足す勇気」より、「抑える勇気」を持つ。
芋は“足りないくらい”がちょうど良い。


🍠 追肥のまとめ

 

ポイント 内容
追肥回数 基本1回、状況に応じて2回まで
肥料の種類 カリ中心、有機肥料が理想
注意点 窒素過多=ツルぼけの原因
効果 甘み・香り・繊維の質が向上

🌿 まとめ ― 肥料を減らす勇気が「甘さ」を生む

 

肥料は多ければ良いわけではありません。
むしろ“控える勇気”が、糖度を上げ、風味豊かな芋を育てる最大のコツです。

肥料を少なくすることで、植物は「自ら栄養を蓄えよう」として、
自然と甘くて濃厚な芋を実らせてくれます。

🍠✨

与えるより、見守る。
それが、本当においしいさつまいもを育てる最短ルートです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家です。

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成田農園のよもやま話~第17回~

皆さんこんにちは!

 

千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の

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水やり ― 芋の形と甘さを決める、最重要ポイント

 

 

 


🌱 植え付け直後の「最初の一回」が命

 

さつまいもの栽培において、水やりは単なる作業ではありません。
実は「どのタイミングで、どれだけ与えるか」で芋の形や甘さが大きく変わる、非常に繊細な工程です。

まず最初に大切なのが、植え付け直後のたっぷり水やり
この段階では、苗の根がまだ新しい土に馴染んでおらず、乾燥するとすぐに枯れてしまいます。
苗の根元に向けて、地面が光るくらいたっぷりと水を与え、土と根をしっかり密着させます。

💧ポイント

  • 植え付け直後は「土の奥までしみ込む」ほど与える。

  • 翌日は土の表面を触って、しっとりしていれば水やり不要。

  • 風が強い日や気温の高い日は、夕方に軽く潅水して乾燥を防ぐ。

この最初の1回が、その後の苗の活着を決定づけます。
ここで失敗すると根張りが悪く、芋の太りも悪くなるため、慎重に行うことが大切です。


🌿 活着後は「控えめ」が鉄則

 

およそ1週間が経過すると、葉がピンと上を向き始めます。
これは「根が張ったサイン」。ここからは水の与え方を切り替え、乾かし気味の管理に移ります。

さつまいもは乾燥に強い反面、湿気には非常に弱い植物です。
水を与えすぎると、土中の酸素が減って根が呼吸できず、芋が細長くなったり、味が薄くなったりします。
この状態を「水太り」と呼び、糖分の蓄積が妨げられてしまうのです。

🌤️理想的な管理

  • 表面が乾いてから2〜3日後に軽く湿らせる程度でOK。

  • 雨が続く時期は水を与えず、排水を優先。

  • 乾燥よりも過湿のほうがダメージが大きいと覚えておく。


🌦️ 季節による水管理のコツ

 

季節や天候によっても、水の管理は変化します。

  • 梅雨期:畝を高くして排水を確保。水は極力控えめ。

  • 真夏:高温による乾燥を防ぐため、藁やマルチを敷いて保湿。

  • 秋(収穫前):収穫2週間前から水を止めて糖度を上げる。

農家の中には「葉の色で判断する」人も多く、濃い緑は水分過多、少し明るめの黄緑はちょうど良い水分量のサインです。

💡コツ

朝に与えて、日中の太陽で乾かすのが理想。
夜間の水やりは蒸れて病害の原因に。


🍠 収穫前の「水切り」が甘さを生む

 

収穫の1〜2週間前からは、水を完全に止める「水切り」を行います。
これは、芋の中の糖分を濃縮させ、焼き芋にしたときの“ねっとりとした甘さ”を引き出すための大切な工程。
水を我慢させることで、植物が自ら糖を蓄えようとする性質を利用しています。


🌻 まとめ ― 水やりの鉄則

 

ポイント 内容
植え付け直後 根付きのためにたっぷり水を与える
活着後 乾燥気味に管理、与えすぎない
季節管理 梅雨は排水重視、真夏は保湿、秋は水切り
収穫前 水を控えて糖度アップ

 

💬ひとことで言えば…

水やりは「最初に与え、あとは我慢」。
甘いさつまいもは、“控えめ”な管理から生まれます。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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