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皆さんこんにちは!
千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の
成田農園合同会社、更新担当の富山です。
さつまいもは肥料を多く必要としない作物です。
むしろ、肥料をやりすぎるとツルばかり伸びて芋が太らなくなる「ツルぼけ」を起こします。
ツルぼけとは、窒素肥料が多すぎることで葉や茎に栄養が偏り、肝心の芋が育たなくなる現象。
見た目は青々として健康そうでも、土の中はスカスカ……。これが一番多い失敗例です。
🌱基本の考え方
さつまいもは「痩せた土地」でこそおいしく育つ。
肥料のやりすぎは「葉の立派さ」と「味の低下」を引き換えにする。
1回目(定番):植え付けから約1か月後。ツルが畝を覆い始めた頃。
2回目(必要な場合のみ):芋の太り始める7月下旬〜8月ごろ。
基本的には1回の軽い追肥で十分。
もしツルの伸びが鈍い・葉色が薄いと感じる場合のみ、2回目を少量行います。
💧コツ
土の表面に肥料をまき、軽く混ぜる程度。
一度に多く与えず、様子を見ながら分けて施す。
肥料は「何を与えるか」で結果がまるで違います。
おすすめは、カリウム(カリ)中心の肥料。
カリは芋の肥大を促進し、甘さを高める効果があります。
逆に窒素分が多い肥料は、ツルが暴れて芋が太らない原因になるため注意。
🍂肥料選びのポイント
カリ多め(例:草木灰、硫酸カリ)
有機肥料(堆肥、油かす、骨粉)でじっくり効かせる
化成肥料の使いすぎはNG
有機肥料は、栄養がゆっくり効くため、急激な成長を抑えつつ土を豊かにします。
また、土中の微生物を活性化させることで、芋の香りと食感を良くします。
この「ゆっくり育てる」環境が、最終的に“ほくほくで甘い芋”を育てるのです。
| 栽培方法 | 肥料の量 | ポイント |
|---|---|---|
| ハウス栽培 | 少なめでOK | 温度が安定しているため養分が逃げにくい |
| 露地栽培 | 少量を2回に分けて | 雨で流れやすいため分割施肥が効果的 |
💡アドバイス
肥料を「足す勇気」より、「抑える勇気」を持つ。
芋は“足りないくらい”がちょうど良い。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 追肥回数 | 基本1回、状況に応じて2回まで |
| 肥料の種類 | カリ中心、有機肥料が理想 |
| 注意点 | 窒素過多=ツルぼけの原因 |
| 効果 | 甘み・香り・繊維の質が向上 |
肥料は多ければ良いわけではありません。
むしろ“控える勇気”が、糖度を上げ、風味豊かな芋を育てる最大のコツです。
肥料を少なくすることで、植物は「自ら栄養を蓄えよう」として、
自然と甘くて濃厚な芋を実らせてくれます。
🍠✨
与えるより、見守る。
それが、本当においしいさつまいもを育てる最短ルートです。
次回もお楽しみに!
千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家です。
お気軽にお問い合わせください。
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皆さんこんにちは!
千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の
成田農園合同会社、更新担当の富山です。
さつまいもの栽培において、水やりは単なる作業ではありません。
実は「どのタイミングで、どれだけ与えるか」で芋の形や甘さが大きく変わる、非常に繊細な工程です。
まず最初に大切なのが、植え付け直後のたっぷり水やり。
この段階では、苗の根がまだ新しい土に馴染んでおらず、乾燥するとすぐに枯れてしまいます。
苗の根元に向けて、地面が光るくらいたっぷりと水を与え、土と根をしっかり密着させます。
💧ポイント
植え付け直後は「土の奥までしみ込む」ほど与える。
翌日は土の表面を触って、しっとりしていれば水やり不要。
風が強い日や気温の高い日は、夕方に軽く潅水して乾燥を防ぐ。
この最初の1回が、その後の苗の活着を決定づけます。
ここで失敗すると根張りが悪く、芋の太りも悪くなるため、慎重に行うことが大切です。
およそ1週間が経過すると、葉がピンと上を向き始めます。
これは「根が張ったサイン」。ここからは水の与え方を切り替え、乾かし気味の管理に移ります。
さつまいもは乾燥に強い反面、湿気には非常に弱い植物です。
水を与えすぎると、土中の酸素が減って根が呼吸できず、芋が細長くなったり、味が薄くなったりします。
この状態を「水太り」と呼び、糖分の蓄積が妨げられてしまうのです。
🌤️理想的な管理
表面が乾いてから2〜3日後に軽く湿らせる程度でOK。
雨が続く時期は水を与えず、排水を優先。
乾燥よりも過湿のほうがダメージが大きいと覚えておく。
季節や天候によっても、水の管理は変化します。
梅雨期:畝を高くして排水を確保。水は極力控えめ。
真夏:高温による乾燥を防ぐため、藁やマルチを敷いて保湿。
秋(収穫前):収穫2週間前から水を止めて糖度を上げる。
農家の中には「葉の色で判断する」人も多く、濃い緑は水分過多、少し明るめの黄緑はちょうど良い水分量のサインです。
💡コツ
朝に与えて、日中の太陽で乾かすのが理想。
夜間の水やりは蒸れて病害の原因に。
収穫の1〜2週間前からは、水を完全に止める「水切り」を行います。
これは、芋の中の糖分を濃縮させ、焼き芋にしたときの“ねっとりとした甘さ”を引き出すための大切な工程。
水を我慢させることで、植物が自ら糖を蓄えようとする性質を利用しています。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 植え付け直後 | 根付きのためにたっぷり水を与える |
| 活着後 | 乾燥気味に管理、与えすぎない |
| 季節管理 | 梅雨は排水重視、真夏は保湿、秋は水切り |
| 収穫前 | 水を控えて糖度アップ |
💬ひとことで言えば…
水やりは「最初に与え、あとは我慢」。
甘いさつまいもは、“控えめ”な管理から生まれます。
次回もお楽しみに!
千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家です。
お気軽にお問い合わせください。
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