-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー
皆さんこんにちは!
千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家の
成田農園合同会社、更新担当の富山です。
さつまいもの栽培において、水やりは単なる作業ではありません。
実は「どのタイミングで、どれだけ与えるか」で芋の形や甘さが大きく変わる、非常に繊細な工程です。
まず最初に大切なのが、植え付け直後のたっぷり水やり。
この段階では、苗の根がまだ新しい土に馴染んでおらず、乾燥するとすぐに枯れてしまいます。
苗の根元に向けて、地面が光るくらいたっぷりと水を与え、土と根をしっかり密着させます。
💧ポイント
植え付け直後は「土の奥までしみ込む」ほど与える。
翌日は土の表面を触って、しっとりしていれば水やり不要。
風が強い日や気温の高い日は、夕方に軽く潅水して乾燥を防ぐ。
この最初の1回が、その後の苗の活着を決定づけます。
ここで失敗すると根張りが悪く、芋の太りも悪くなるため、慎重に行うことが大切です。
およそ1週間が経過すると、葉がピンと上を向き始めます。
これは「根が張ったサイン」。ここからは水の与え方を切り替え、乾かし気味の管理に移ります。
さつまいもは乾燥に強い反面、湿気には非常に弱い植物です。
水を与えすぎると、土中の酸素が減って根が呼吸できず、芋が細長くなったり、味が薄くなったりします。
この状態を「水太り」と呼び、糖分の蓄積が妨げられてしまうのです。
🌤️理想的な管理
表面が乾いてから2〜3日後に軽く湿らせる程度でOK。
雨が続く時期は水を与えず、排水を優先。
乾燥よりも過湿のほうがダメージが大きいと覚えておく。
季節や天候によっても、水の管理は変化します。
梅雨期:畝を高くして排水を確保。水は極力控えめ。
真夏:高温による乾燥を防ぐため、藁やマルチを敷いて保湿。
秋(収穫前):収穫2週間前から水を止めて糖度を上げる。
農家の中には「葉の色で判断する」人も多く、濃い緑は水分過多、少し明るめの黄緑はちょうど良い水分量のサインです。
💡コツ
朝に与えて、日中の太陽で乾かすのが理想。
夜間の水やりは蒸れて病害の原因に。
収穫の1〜2週間前からは、水を完全に止める「水切り」を行います。
これは、芋の中の糖分を濃縮させ、焼き芋にしたときの“ねっとりとした甘さ”を引き出すための大切な工程。
水を我慢させることで、植物が自ら糖を蓄えようとする性質を利用しています。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 植え付け直後 | 根付きのためにたっぷり水を与える |
| 活着後 | 乾燥気味に管理、与えすぎない |
| 季節管理 | 梅雨は排水重視、真夏は保湿、秋は水切り |
| 収穫前 | 水を控えて糖度アップ |
💬ひとことで言えば…
水やりは「最初に与え、あとは我慢」。
甘いさつまいもは、“控えめ”な管理から生まれます。
次回もお楽しみに!
千葉県成田市でさつまいもやお米を生産している農家です。
お気軽にお問い合わせください。
![]()